基礎ゲンゴロウ学

コツブゲンゴロウ科

種名索引

ホソコツブゲンゴロウ亜科 Notomicrinae

Baca et al. (2017) は広くコツブゲンゴロウ科の遺伝子系統を調べ、Phreatodytinae を本亜科のシノニムとした。

族 Notomicrini

よく知られる Notomicrus の他にスラウェシ島(インドネシア)の地下水性種 Speonoterus Spangler, 1996 も本族に所属するとされる ( Millar 2009 ) 。

Notomicrus Sharp, 1882

ホソコツブゲンゴロウ属

15種余り知られるが、日本にもいるホソコツブゲンゴロウとニューカレドニア固有の N. punctulatus Fauvel, 1903 以外は全て新大陸産で、さらにその大部分が新熱帯区に分布する。近年中南米から新種の記載が相次いでいる。

Notomicrus tenellus (Clark, 1863)

ホソコツブゲンゴロウ

フィリピンからオーストラリア、オセアニア。中国、台湾からの記録は無いようだが、日本では南西諸島から知られる。広域分布種ということになるが、 Toledo (2010) によると少なくとも 3種に分けられるという。

族 Phreatodytini

ムカシゲンゴロウ科 Phreatodytidae で記載されたが、当初から特に幼虫形態からコツブゲンゴロウ類との類似が指摘されていた。その後も形態や遺伝子による系統解析で本亜科と姉妹群であるとされていた ( Millar 2009 , Kato et al. 2010 ) が、上記の通り亜科レベルでもシノニムとなった。Phreatodytes 1属のみからなる。

Phreatodytes S. Uéno, 1957

ムカシゲンゴロウ属

日本固有属で本州西部、四国、九州から 7種が知られるが、まだ未記載種がいるとも言う。すべて地下水性種。

Phreatodytes archaeicus S. Uéno, 1996

サイトムカシゲンゴロウ

前胸背板と上翅の側縁に深く発達した溝を持ち、本属中最も古い系統と考えられる ( Uéno 1996 ) 。また、体長 1.5mm程になり最大のムカシゲンゴロウでもある。

コツブゲンゴロウ科

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